相続
あなたも相続税の申告が必要となるかもしれません!
相続税法の改正により、平成27年1月1日以後に亡くなった方が、都市部に一戸建てやマンションをお持ちの場合、相続税の申告、納税が必要となる場合があります。
改正その1 基礎控除が下がります!
基礎控除とは相続財産の価額の合計額から控除できる金額をいいます。
つまり、基礎控除の範囲内で財産の価額の合計額が収まれば、
原則として相続税の申告・納税はありません。
法定相続人の数とは
法定相続人の数とは ⇒詳しくはコチラ
例えば・・。
Aさんとその妻、子供二人の世帯でAさんが亡くなった場合
(住宅ローンなど債務はないものとします)
東京23区内ご自宅土地建物の価額
5,000万円
老後資金として貯めた退職金などの現預金
2,000万円
財産総額 5,000万円+2,000万円=7,000万円
基礎控除を超える金額の相続財産があっても、
相続税の申告書を提出することを条件とする以下のような特典を受けることで、相続税の納税を0円にすることができます。
小規模宅地等の特例 ⇒詳しくはコチラ
被相続人と同居している場合など一定の要件を満たした場合には、ご自宅の宅地の評価額を最大80%減額することができます。
配偶者に対する相続税額の軽減
被相続人の配偶者が相続する1億6,000万円分の財産までは相続税が課税されず、また、1億6,000万円を超える財産を相続しても、財産総額(課税価格)の法定相続分(例の場合は2分の1)までは相続税の納税はありません。
名称こそ軽減とありますが、配偶者は大きく優遇されています。
上記の特例の適用を受けるには相続税の申告書の提出が必要となります。
また、これらの規定の適用を受けるには一定の要件がございます。
改正その2 相続税の税率が上がります!【増税】
平成27年1月1日以後の相続について相続税率が変わります。
相続税の速算表(財務省HPより)
法定相続分に応ずる取得金額 | 改正前 | 改正後 | ||
---|---|---|---|---|
税率 | 控除額 | 税率 | 控除額 | |
1,000万円以下 | 10% | 0万円 | 10% | 0万円 |
3,000万円〃 | 15% | 50万円 | 15% | 50万円 |
5,000万円〃 | 20% | 200万円 | 20% | 200万円 |
1億円〃 | 30% | 700万円 | 30% | 700万円 |
2億円〃 | 40% | 1,700万円 | 40% | 1,700万円 |
3億円〃 | 45% | 2,700万円 | ||
6億円〃 | (3億円超) 50% |
4,700万円 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
たとえば・・・
Bさんの相続財産3億円を子1人で相続した場合
改正前
3億円-6,000万円(基礎控除)=2億4千万円
2億4,000万円×40%-1,700万円=7,900万円
平成27年1月1日~
3億円-3,600万円(基礎空除)=2億6,400万円
2億6,400万円×45%-2,700万円=9,180万円
以上より改正後は1,280万円の増税となります。
上記のように多額の財産を取得した場合について相続税率が上がります。
多額の財産をお持ちの方は生前贈与などの相続対策が必要となります。
改正その3 贈与税率が変わります!
平成27年1月1日以後の贈与より贈与税率が変わります。
贈与税の速算表(財務省HPより)
基礎控除後の課税価格 | 改正前 | 改正後 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
税率 | 控除額 | 一般 | 直系卑属 | |||
税率 | 控除額 | 税率 | 控除額 | |||
200万円以下 | 10% | 0万円 | 10% | 0万円 | 10% | 0万円 |
300万円〃 | 15% | 10万円 | 15% | 10万円 | 15% | 10万円 |
400万円〃 | 20% | 25万円 | 20% | 25万円 | ||
600万円〃 | 30% | 65万円 | 30% | 65万円 | 20% | 30万円 |
1,000万円〃 | 40% | 125万円 | 40% | 125万円 | 30% | 90万円 |
1,500万円〃 | (1,000万円超) 50% | 225万円 | 45% | 175万円 | 40% | 190万円 |
3,000万円〃 | 50% | 250万円 | 45% | 265万円 | ||
4,500万円〃 | (3,000万円超) 55% | 400万円 | 50% | 415万円 | ||
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
たとえば・・・
Cさんが孫Dに1,000万円の贈与をした場合
改正前
(1,000万円-110万円※)×40%-125万円=231万円
平成27年1月1日以後
(1,000万円-110万円※)×30%-90万円=177万円
以上より改正後は54万円の減税となります。
高齢者が保有する財産の若年世代への移転を促し、消費を活性化するため、最高税率は相続税率と同じく上がっておりますが、子や孫等の直系卑属に対する贈与については税率構造を緩和する改正となります。
※ 贈与税の基礎控除⇒受贈者一人当たり年110万円が贈与を受けた財産の価額から控除されます。